みなさん、「能」ってご覧になったことはありますか?能楽は、日本が世界に誇る伝統芸能であり、UNESCOの無形文化遺産にも登録されています。ここ大阪は、豊臣秀吉の影響で能が盛んに行われた地でもあります。
OCFLは、大阪市内有数のビジネス街にありますが、徒歩5分のところに、大阪で一番古い、国の有形文化財にも登録されている「能楽堂」があるんですよ。梅雨晴れの6月23日、その山本能楽堂さんに、語学系3学科(英語通訳・翻訳科、総合英語科、アジア言語ビジネス科)のジュニア生がお邪魔しました。本格的な能楽堂に入るのは、ほとんどの学生が初体験。ビジネス街の一角に、本格的な「和」の世界が広がっていることに一同まずびっくり。
「能」って聞くと、正直「つまらなさそう」とか「眠くなりそう」とか、ネガティブなイメージがあると思います。山本能楽堂さんでは、そのようなイメージを払拭するために、初心者向けの体験講座を多数開催されています。この日は、OCFLの学生のためだけの体験講座スペシャルバージョンを開いていただきました。
講師は水谷豊さんに良く似た?林本大先生。とてもわかりやすい口調で、能の楽しみ方を丁寧に教えてくださいました。「なぜ能舞台の背景は必ず松なの?」「御簾はどうしてあるの?」「舞台の周囲に敷き詰められた小石はどんな役割があるの?」など、初心者のギモンの数々を面白おかしく説明していただいて、学生たちも納得の表情。ついつい、私たちは「能って何言っているかわからないから・・・」と躊躇してしまいますが、「わからなくて当然ですよ」との優しいお言葉に、みんなホッとした表情。また、本物の能面を見せていただいたり、希望者3名が舞台に上がり、実際に能面を装着して舞台を歩かせていただいたり・・・と、盛りだくさん。更に、全員に抹茶と和菓子が振舞われ、舌でも日本文化をエンジョイしました。
「囃し方」と呼ばれる演奏担当の方たちの実演と説明のあと、いよいよ能のミニ公演。今回の演目は、天女伝説で有名な「羽衣」。先ほど講師として面白いお話をしてくださっていた林本先生が、一転してキリっと優雅に天女の舞をご披露くださいました。あらかじめ、見どころのツボや所作に込められた感情を伺っていたので、能初体験の学生たちも最後まで飽きることなく、固唾を呑んで真剣に見つめていました。邦楽の演奏も、テレビやCDとは違い、能楽堂では立体的に響き、まさに幽玄。解散後も口々に「楽しかった」「ひきこまれた」「いろんなことが学べた」「踊っている間の体幹がブレないのがスゴイ」「今度外国人の友人を連れてこよう」と学生たちが満足そうな表情をしていたのが印象的でした。
OCFLではこのように、語学だけではなく日本の伝統文化への理解を深め、世界へ情報発信できる人材を育成することにも取り組んでいます。大阪市内ど真ん中の「和のオアシス」でとても充実した2時間を過ごせた今年度の校外研修でした。
山本能楽堂 ホームページ https://noh-theater.com/