2011年度のキャビンアテンダント・エアライン科生対象のカンタス航空客室乗務員訓練研修が終了しました。訓練は、前半が英語研修、後半が乗務員訓練所での保安要員としての訓練、サービス要員としての訓練などで、今年も非常に充実した内容でした。
カンタス航空グループは世界で最も安全と言われている航空会社ですが、リーズナブルな料金で運営している100%子会社のジェットスター航空が、オーストラリアへの直行便としてすっかり定着しています。さらに2012年には、日本の国内線にも進出。日本航空と三菱商事との合弁でジェットスター・ジャパンが営業を開始します。本校エアライン科生たちも、この新会社の乗務員募集があればぜひにと応募するつもりでしょう。そのせいか、今回のカンタス航空訓練所での学生諸君の受講態度は本当に真剣そのものでした。
保安訓練では、機内に煙が吹き込んできたり、乗客の恐怖の叫び声が聞こえたりする、臨場感溢れる緊急着陸の訓練があり、乗務員役や乗客役の学生諸君が懸命にマニュアル通りの脱出手順を繰り返し練習しました。全員脱出させたと思いきや、暗闇のどこからか赤ん坊の泣き声が聞こえてきて、それを必死になって探し回るなど、迅速性や機敏さが求められる訓練でした。また、乗客の誘導ではあらん限りの大声で叫ばなければならず、なかなかOKをもらえませんでしたが、OKをもらえた時は、同じ訓練を受けるべく待機中のカンタスのクルーたちからも大きな拍手をもらうなど、本当に達成感を感じられる充実した内容でした。
往復に利用したジェットスター航空でも、セイフティ・デモなど目で見て学ぶことも多く、また、日本人を始め、アジア系の客室乗務員が多いのも、学生たちの気持ちを刺激したようです。
研修に参加した学生諸君は近い将来、客室乗務員となるために、今まで以上にがんばって勉強してくれることを期待しています。来年にはきっとこの中から新人客室乗務員が何人もでることでしょう!
以下、参加者の感想の一部を紹介します。
● 語学研修先のUWSCでは、いろいろな国から来ている留学生たちと楽しくやりとりできました。学ぶことに対しては日本人よりも積極的なことに感心し、大いに刺激されました。また、カンタス航空の訓練では、覚えることが信じられないほど多いことに驚きました。毎日の訓練が終わるたびぐったり疲れている自分でしたが、夢見ていた世界の実際の厳しさを知ることができ、ますます挑戦のしがいを感じました。
● ホームステイ先からバスで通うことに最初は不安がありましたが、すぐに慣れました。中国、韓国、サウジアラビアから来たクラスメイトとは、一緒にショッピングを楽しむなど、すぐに仲良くなることができました。カンタス航空の訓練所では複数のグループに分かれて訓練を受けましたが、インストラクター2名の緊急脱出の際の呼びかけの声が、私たちグループ全員の声よりも大きかったのには驚きました。とても貴重な体験でした。
● 客室乗務員は笑顔、気配りなど女性向きの仕事とばかり思っていましたが、緊急脱出の訓練を受けて、手荷物を持ち出そうとする乗客を懸命に阻止するなど、強さや体力も必要なのだと知りました。ふだん乗ることのないビジネスクラスやファーストクラスでは、いかにきめ細やかな機内サービスが行われているのかを知ることができました。自分が実際に挑戦した際はとても時間がかかり、改めてプロの客室乗務員の手際よさに感心しました。
● 空港で待機中の無人の航空機内を見学することができ、感激しました。コックピット内の機器の多さには驚きました。また、機内アナウンスも体験させてもらいました。ビジネスクラスやファーストクラスの食事は客室乗務員が盛りつけをしないといけないなど驚きの連続でした。自分が目標とする人たちの指導のもと、実際に料理を盛りつける体験もでき楽しかったです。シドニーで過ごした日々は一生忘れることのできない思い出です。