9月25日(日)に実施された、「大阪市姉妹都市交流協議会主催第45回英語スピーチコンテスト」の大学の部で、キャビンアテンダント・エアライン科1年生の中西紗也香さんが見事、大阪・メルボルン姉妹都市協会賞を獲得しました。毎年本校生の入賞者を輩出しているコンテストですので、会場で応援したアドバイザーの田中昇吾先生、フランク・クレイプール先生も喜びはもちろん、さぞホッとした気持ちだったでしょう。大阪大学、大阪市立大学、立命館大学、関西大学、大阪女学院短大など、強豪ぞろいの出場校の中で、12年連続入賞という記録を達成したのは本校だけです。中西さんには、副賞として、約1ヵ月のメルボルンでの文化交流ツアーへの招待状が贈られます。
自分の周辺のことを中心に語る出場者が多い中、中西さんのスピーチは日本のマスコミに対する批判というかなり硬派の内容でした。東日本大震災に関する日本のテレビニュース、新聞の記事はほとんど内容が同じで、政府や東京電力の公式発表に沿ったものばかり。ところが、英語の勉強のためにとBBCやCNNのニュースを見た中西さんが驚いたのは、外国のマスコミは日本政府の発表をそのまま信用していないこと、独自の調査や取材に基づく記事やニュースを発表していることでした。マスコミへの就職にも興味があった中西さんは、高校時代、新聞クラブに所属していましたが、記事に対する教員の検閲が入り、学生間の意見の対立や混乱を招かないよう、記事の掲載を差し止められた経験があるそうです。日本政府も国民が混乱しないよう真実を隠す発表をし、「記者クラブ」という業界の「調和」を図るマスコミの機関が政府の意図に迎合する現状は、あるべき報道の姿としておかしいのではないかという意見です。スピーチのタイトル「1億3000万人によるオーケストラ」とは、日本の国民が一致団結して調和のハーモニーを奏でるという意味ですが、その前提として、真実を知り、真実に基づく議論を重ねた上での調和でなくてはならならないと結論づけています。
権威への批判を交えた自分の意見をはっきりと発表した中西さんの姿勢は、今後の日本人のあるべき姿を大いに先取りしているようですね。さらなる活躍を期待しています。