いくら外国語が上達しても、自国の文化を知らなければ世界に通用する人材にはなりません。そこで大阪外語専門学校の英語系学科(英語通訳・翻訳科、総合英語科)では、昨年から「意外と身近にある伝統文化を知ろう」と、学校から徒歩5分のところにある、大阪でもっとも古い「山本能楽堂」さんにお願いし、一日体験を行っています。本校は大阪市内有数のビジネス街にありますが、そんな大都会の喧騒の中、隠れ家のように建つ山本能楽堂は国の登録文化財にも指定されている由緒正しい能楽堂です。こちらでは、能楽をもっと気軽に楽しんでもらおうと、初心者向けの体験講座や楽しいワークショップを多数開催されています。
梅雨晴れの6月14日、その山本能楽堂で、英語通訳・翻訳科と総合英語科の1年生だけのためのスペシャル体験講座を開いていただきました!本格的な能楽堂に入るのは、ほとんどの学生が初体験。一歩足を踏み入れると、厳かな雰囲気の中、想像以上に本格的な「和」の世界が広がっていることに歓声があがりました。そんな雰囲気の中、近くにあるマスコミなどでも評判のカフェ初花さんのサンドイッチランチと、特注の和菓子をいただいたあと、いよいよ体験講座スタート。
本日の講師は、昨年も大好評だった林本大先生と、若手能楽師2名の先生方。とてもわかりやすい口調で、能の楽しみ方を丁寧に教えてくださいました。「なぜ能舞台の背景は必ず松なの?」「芸人と芸能人の違いって?」「舞台の下には何が隠されているの?」など、初心者のギモンの数々を面白おかしく説明していただいて、学生たちも納得の表情。また、能面を見せていただいたときは、面の角度によって表情が変わることに一同驚嘆。ちなみに・・・「般若」って女性なんですよ、知っていましたか?また、希望者3名が舞台に上がらせていただき、面をつけたり「すり足」のお稽古をしたり・・・と、盛りだくさん。また、ラッキーな1名には実際の能装束を着せていただくという滅多にないチャンスがありました。更に、全員で「猩々」の謡いも練習しましたよ。初体験の謡い、うまく謡えたかな・・・?
3名の先生方には実演もしていただきました。さっきまで柔和だった顔が、いざ実演に入るとキリッと引き締まり、目つきや手さばき足さばきが鋭くなり、空気まで一変してしまったことに一同感心&感動し、真剣に魅入っていました。すっかり先生方のファンになってしまった学生も・・・。最後に舞台下を見学し、和モダンの素敵な山本能楽堂オリジナル手ぬぐいをお土産にいただき、大満足の午後になりました。
OCFLではこのように、語学だけではなく日本の伝統文化への理解を深め、世界へ情報発信できる人材を育成することにも取り組んでいます。大阪市内ど真ん中の「和のオアシス」でとても充実した2時間を過ごせた今年度の校外研修でした。
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