7月末にお知らせしましたが、毎夏恒例の創造社デザイン専門学校主催の国際学生デザインワークショップで、本校の英語通訳・翻訳科の学生4名が通訳インターンシップを行いました。さまざまな国から来日された学生たちと、日本の学生たちをつなぐ架け橋として活躍したOCFL生たち。「デザイン」という専門性の高いジャンルに四苦八苦したり、国によって異なる英語のアクセントに戸惑ったり、逆に日本語の表現に苦労したりと、決して楽ではなかったようですが、4人とも充実した日々を過ごしました。・・・今日はそんな彼らの声をみなさんにご紹介します。
1年生 K.M.さん
「自己紹介では、日本のアニメが好きな方が多く、その話で盛り上がりました。今回は大阪環状線の活性化案を出すというJR西日本とのコラボレーション企画で、参加者全員で環状線を一駅一駅降りて写真を撮って回りました。非常に暑い中、朝からずっと動きっぱなしだったのでかなり疲れましたが、その日一日でみなさんと仲良くなれました。人によって英語のアクセントがかなり強く、なかなか聞き取れなかったりもしましたが、他の方たちのサポートもあったので乗り越えられました。また、「のりしろ」や「山折・谷折」など、普段の会話ではあまり出てこないことばもたくさんあり、また、辞書で引いた訳語がネイティヴには伝わらないという経験もしました。しかし、私は翻訳家志望なので、あきらめず言葉をひとつひとつ大切にしていくことの大事さ、そしてこの訳以外に考えられないという訳に到ったときのすばらしさを忘れずに、精進していきたいです。」
1年生 N.T.さん
「ワークショップでのディスカッション中は一度通訳に入ると作業に移るまでずっと通訳し続けるので、学生のみなさんが話している内容を注意深く聞くようにしました。また、グループ内でもそれぞれの学生に主張があり、みなさんが思っていることや伝えたいことを正確に伝えるのがとても難しかったです。特に難しかったのは英訳です。日本人同士の会話では、主語や目的語、細かな理由などを省略しても、これまでの経緯から推測して察することができますが、英語ではすべて省略せずに話さなければ伝わらないことを改めて認識しました。また、今回のインターンシップで通訳を続けているうちに、自分が同じ単語ばかりを使っていることに気づき、勉強していても実際に身についている語彙は少なかったのだと痛感し、自分自身の課題も見つけることができました。今回、通訳という業務を実際にさせていただき、自分ではない誰かの伝えたいことを他の言語で正確に伝えることの大切さや難しさをしることができました。」
1年生 K.S.くん
「海外からの学生と日本の学生との橋渡しになるハズだったのですが、なかなか海外の学生との話すタイミングが難しかったです。最初は主にパソコンや機械操作の説明を行いました。やがてディスカッションの通訳を任されましたが、そこでは自分の力の無さを実感しました。「こんな風に言っています」と曖昧に訳するのではなく、「こう言っています」と話し手の言っていることをそのまま相手に伝えることに苦労しました。また、プレゼンテーションの通訳では、語彙不足で説明が全部同じような言い方や言い回しになってしまいました。しかし、創造社デザイン専門学校の先生は、『難しい言葉を使っても相手に伝わらなかったら意味が無いから、あなたの説明の仕方で充分日本の学生が理解出来ただろうから、それでいいよ』と仰ってくださいました。これからの上達のためには、臆せず英語を使い続けることが大切だと思いました。」
2年生 Y.H..くん
「日本人学生と外国人学生の意思疎通のため、間に入って日→英、英→日の逐次通訳を行いました。通訳として最も難しかった点は、いつ通訳し、いつ通訳しないでおくか、ということでした。学生同士が協力し合って作品を造り上げるという目標である以上、極力自分なしで方向性が決定され、意思疎通が図られ、作品が完成に近づくべきであるので、自分の影響を抑えることがとても大事だと認識していました。その一方で、言語的な問題で連携が取れなかったり、作業が滞ることも起こり得るので、どこまで参加し、どこまで傍観するか、その狭間で苦しい思いをしました。しかし、得意ではないものの人とのコミュニケーションが好きな私にとっては、これ以上ない充実した良いインターンシップでした。」
4人とも、通訳の授業で学んだことを実践に生かし、また更に自分の課題を見つけられたようですね。「語学」と「デザイン」、学ぶ分野は異なりますが国内外の同年代の学生たちとも新たな友情が芽生え、国際的なコミュニケーターの第一歩を踏み出せたのではないでしょうか。