アメリカ、ワシントン州にある短期大学、Tacoma Community Collegeへ留学中の森脇利聡君からの近況報告です。将来はWashington State Universityへ編入し、環境関係の学位を取得しようと準備を進めています。昨夏一時帰国した際にはOCFLのオープンキャンパスで留学体験を語ってくれました。その時に、国内進学か海外留学か迷っている高校生がいることを知り、悩んだ末に留学を決断した自身の経験をもとにメッセージを送ってくれました。
早いものでTacomaに来て2年が過ぎました。この2年間いろいろな人に出会い、いろいろな価値観に触れ、勉強させてもらいました。教科書とノートを使った勉強だけでなく、人間的にもいろいろな世界観を見せてもらい、自分の見える世界を広げて行けたのかなと思っています。
日本ではセンター試験や大学入試の時期で、多くの人が人生の大きな分岐点に立たされていることと思います。留学したいという思いがありながら、さまざまな理由でそれを断念せざるを得ない人や、国内で確実な道を選びたいと大学に進学する学生さんたちもいることを耳にします。
留学をしている立場からすれば、留学を一度経験して欲しいという気持ちが本音です。先の見えない不安はあります。異国での生活は生半可なものではなく、留学をしている今ですら、この選択が『成功』だったのか、『失敗』だったのかとふとした瞬間に考えてしまいます。しかし、もし留学せずに国内進学したとしても、この時代、成功が保障されるわけではないとも思います。結局、留学というこの進路選択は自分が悩んで導き出した結論なのだから、1日1日が成功だと思えるよう、たとえ1日失敗しても次の日が成功だといえるように前向きに努力しようと思い、そしてそれができるようになったことが、自分にとっての一番の収穫です。
2年という節目を迎え、一つでも自分の経験が、少しでも誰かの気持ちを後押しできればとこのような形で連絡させていただきました。進路に悩んでいる方々が前に踏み出すきっかけになれたら本望です。
最後ではありますが、アメリカに来て自分が最も影響を受けた言葉があります。
“Sometimes all you need is twenty seconds of insane courage. Just literally twenty seconds of just embarrassing bravery. And I promise you, something great will come of it.” (時に必要なものは20秒の正気でない勇気だ。文字通りたった20秒の恥ずかしい勇気をもてばきっと素晴らしいことが待っている。)
これはWe Bought A Zooという映画の中でのセリフです。何も思い入れのない人にとってはただ単に『無謀』な『狂気の決断』であっても、強い気持ちをもってそれを行う者にとっては『価値がある決断』だ、という意味だと解釈しています。周囲の目にとらわれるのでなく、自らが信じる道に進むには勇気がいること。自分はこの言葉に救われました。この言葉がまた誰かの気持ちを後押しすることになればいいなと思います。