みなさん、日本三大祭ってご存知ですか?―そう、東京の神田祭、京都の祇園祭、そして大阪の天神祭の三つ。とりわけ天神祭は、お祭りのフィナーレを飾る奉納花火に毎年130万人もの見物客が訪れる、夏の大阪を彩る大イベントです。天神祭はOCFLから徒歩15分の大阪天満宮を中心に、そのすぐ南を流れる大川周辺で毎夏さまざまな神事・行事が行われます。なかでも陸渡御と船渡御は、奉納花火と並ぶ天神祭最大の神事です。神様が年に一度地上に降りて来られ、地域のあちらこちらを観てまわられるのを、隊列を作ってお供するのが陸渡御・船渡御のいわれです。地上で隊列を作って行進するのが陸渡御、船に乗り込んで大川を行進するのが船渡御です。
7月25日の本宮の日、OCFLのすぐ近くにあり、本校語学系学科の学生が毎年見学にお邪魔する山本能楽堂さまのご厚意で、OCFL在籍の留学生を陸渡御の特別観覧席にご招待いただきました!お誘いを受けた留学生たちはみんな、1000年以上続く大阪を代表する伝統文化を間近で鑑賞できるチャンスに大興奮!これもまた大阪のシンボル的建物である大阪市中央公会堂前に設置された特別観覧席で勇壮且つ華麗な陸渡御を観覧しました。
陸渡御は、大阪天満宮を出発した隊列が氏地を練り歩きます。隊列に参加する各グループを「講」「講社」と呼び、それぞれ工夫を凝らした衣装を身にまとい、菅原道真公の御神霊のお供をしながら約4キロを進みます。なんと参加者は約3000人だそうです。赤い投げ頭巾に法被姿の願人と呼ばれる若者たちが大太鼓を打ち鳴らす催し太鼓がやってくると、いよいよ渡行列の到着です。催し太鼓の花形は、大太鼓を大きく前後左右に揺さぶられながら打つ「からうす」。なかなか観られないものですが、観覧席の前でご披露いただきました。その迫力に留学生たちも目を丸くしていました。
続いて渡行列の案内役の猿田彦、そして采女、猩々、地車、獅子舞や龍踊り、本物の牛や馬、そして道真公の御神霊を奉安した御鳳輦など、数々の講の行列に、観客一同大拍手。最後は鳳神輿・玉神輿の立派なお神輿が続き、目の前でたっぷり2時間近く楽しみました。
また、この特別観覧席では日本語の説明に加え、外国人向けに英語での解説がリアルタイムで行われました。英語の説明をしてくださったのは旭堂南陽さん。南陽さんは英語講談にもチャンレンジされており、天神祭の由来や講などの説明をユーモアを交えながら外国の方たちにもわかりやすく伝えられていました。
暑さで少々バテ気味だった留学生たちも、行列のパフォーマンスに盛んに拍手を送り、その日覚えたばかりの「大阪締め」を早速何度も交換し、留学中の大切な思い出になったようです。
参加者のひとり、シンガポールからの留学生、ムハンマド・リドワンくん(国際観光・ホテル・ブライダル科)の感想です。
「初めて天神祭を見に行きました。パレードのはじまりは太鼓のパフォーマンスでした。太鼓の舞台が激しく揺さぶられる中、真紅の投げ頭巾をかぶった願人たちはバランスを取りながら太鼓を打つのを観ると大変感動しました。他にも獅子舞、四つ竹、傘踊りなど見所は数多くあり楽しみましたが、一番見たかったのは御鳳輦です。目にも鮮やかな鳳の飾りが目印の豪華なものでした。来年、機会があれば船渡御も見に行きたいと思います」