総合英語科、英語通訳・翻訳科、そして国際留学科の学生達は、アメリカ、イギリス、カナダといった英語圏出身の先生方から、日々、英語や英語圏文化について多くのことを学んでいます。しかし、もっと広く異文化理解を深めるためという目的で、ヨルダンの方をゲストスピーカーとしてお招きし、ヨルダンの歴史や文化、そして日本との関係について特別講義をしていただきました。
講師は、現在、神戸大学大学院保健学研究科の博士課程に在籍しておられるSaad AL NASSAN氏です。ヨルダンのローマ帝国時代からの歴史、地理的環境、政治制度、宗教についてなど、多くのトピックについてお話をしていただきました。全てにおいて日本と大きく異なるヨルダンについての講義は、非常に刺激的であったようです。
なかでも、度重なる争いと平和への希求、争いの結果発生する移民の受け入れに積極的であるヨルダンの政策は、興味深いものがありました。宗教や国が違えど同じアラブ人であることを大切にし、人道主義に則り移民の受け入れをしているヨルダンの在り方に多くの学生達は、いろんなことを考えさせられていたようです。
広い世界の中で、人間はあらゆる営みをして生きてきています。ITの発達により「グローバル社会」と呼ばれる時代となりました。しかし、技術がもたらす物理的な「繋がり」は、人間同士の「理解」をそう簡単にもたらすわけではありません。文化、歴史について地道に学ぶことや話を聞くことは、真摯で深い理解に到達するための第一歩です。
ほとんどの学生達は、ヨルダンが素晴らしい歴史的遺跡をたくさん持ち、水が国家的に大事なものであることといったことをはじめて知りました。この「水」に関しては、技術支援など日本との関係も深いようです。
短い時間ではありましたが、今回の講義が多くの学生達にいろんな疑問や考えるきっかけを与えてくれたことは問違いありません。これからもこのような文化的刺激を学生達に与えていきたいと思っています。