OCFLの恒例行事のひとつとして「校外学習」があります。今年は、話題沸騰のミュージカル、『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー』を、梅田芸術劇場にて観劇しました。 このミュージカルは、トニー賞を受賞するほどのイギリスの名作ミュージカルの一つです。音楽にはエルトン・ジョン、そして脚本、演出、振付などを手がけた本場イギリスの錚々たるスタッフのもと、日本人キャストで制作されました。デジタル化社会世代である学生たちの多くは、劇場に足を運び、生の舞台を見るという機会を殆ど持ったことがありません。いろんな気持ちを持って観劇をした学生たちでしたが、大きな感動を体感できる機会となりました。
一流のバレーダンサーになりたいという夢を持った炭鉱町の貧しい家の少年ビリーが、苦しみもがきながらも、その夢を実現していく様子が描かれたミュージカルだったので、主役は山城 力という子役の方でした。約1400人の中からのオーディションを勝ち抜いたものの別の役での合格だったそうで、最初から主役の座を射止めたわけではなかったそうです。そして、この舞台の主役に選ばれるまで、ダンスやバレーをやったことがなかったとか!素晴らしい演技力、歌唱力、タップダンス、そして本格的なバレーをすべて美しく、感動的に演じたこの小さな役者さんは、学生の言葉を借りれば「ビリーそのもの」でした。 たった1年半の準備時間にもかかわらず、全ての演技課題の最高水準にまで達することができたなんて、「一体どのくらいの努力をしたのかを想像すると山城さんはすごい人だと思う。そして、人は「覚悟」ひとつで希望を実現することができることがわかった」と書いている学生もいました。
チケット入手が難しくなっているほど大人気のミュージカルとなっている中、OCFL生が見た公演は100回目の記念公演で、特別カーテンコールとして主役の山城 力さんをはじめ、島田歌穂さん、益岡徹さんといった役者さんたちのコメントも聞くことができるという幸運にも恵まれました。それぞれの夢や希望の実現まで学生たちが持っている時間も約1年半。『ビリー・エリオット』の観劇で、心が熱くなる前向きなエネルギーをもらうことができ、素晴らしい演劇だけが持つ力と感動を経験することができました。ほぼ全員の学生たちが、「自分をあらためて見つめなおす機会となった」とまで言っています。若い時の感動は大切です。心に響く経験は、必ず人生を豊かにしてくれますから。